鐘楼(しょうろう)
古きを感じる中尊寺の鐘楼
毎年多くの観光客が訪れる岩手県平泉町の中尊寺。
あなたはこの場所を訪れたことがあるでしょうか。
中尊寺には歴史的建造物である、鐘楼というものがあります。
北上川が流れるそばの小高い丘に、この鐘楼は建てられています。
この建物の中には小さ鐘が釣り下がっています。
しかしこの建物や鐘の傷みが激しいため、
現在は近くにより見学することができなくなっています。
そもそもこの鐘楼は、2階造りだったのですが、
1339年の火災によって焼けてしまったのでした。
現在の梵鐘は1343年に鋳造されたもので、鐘身の銘文には、
この建武の火災について詳しく書かれており、当時の歴史を知る上で
大変貴重な資料となっています。
鐘の大きさは径が86センチ、その高さは113.2センチもあります。
こうして老朽化していく建造物は多く、古くからあるものをそのままの姿で
保存しておくということは本当に難しいことだということがわかります。
平泉の中尊寺は、特に火災に見舞われることが
多かったので、焼失後に再建築された建造物もたくさんあるようです。
現在、この平泉の中尊寺は
世界遺産に登録されたこともあり、文化財の保全により力を入れています。
傷みが激しい建造物や、
装飾がはがれたり、劣化してしまった歴史的建造物は多いものです。
一度傷んでしまうと、
その修復には大変時間とお金が、そして手間がかかってきます。
日本全体で、こうした文化財を守っていくことが大切ではないでしょうか。
鐘楼
鐘楼
世界遺産平泉。中尊寺の鐘楼は、当初は2階造りの鐘楼でしたが、建武4年(1339)の火災で焼失し、康永2年(1343年)に鋳造されました。銘に中尊寺の創建や建武の火災のことなどを伝え貴重ですが、撞座の摩耗はなはだしくて、今ではこの鐘を撞かれることは、ありません。鐘身高さ113.2cm口径86cm。